第2回です。第一回の方から読んでくださいね。
順番逆になるみたいです。


60日講習は30人ほどの人数で始まった。

”生涯現役暴走一筋何年ですけん。ヨロシクゥ!!”

とかのヤンキー風のお兄さんは全くいなくて
サラリーマン風の男性や主婦など割と普通の人たちである。
若くて可愛い女の子も結構多い。
中には事故を起こしてここへ来ている人もいるみたいだった。

警察は僕みたいな善良な優良ドライバーを捕まえる前に
捕まえる人がいるはずなのに、なんで僕がこんな目に
・・・・・とか鬱になる。

講習は初日5時までみっちり。二日目は半日だが試験がある。
これに合格すれば最高30日短縮なのだ。
試験結果と授業態度と合わせて短縮日数が決まるらしい。
初日は教科書講義→実車→講義→運転適正→講義の予定だ。

講義の間も爺様は教官に突っ込みを入れる。

「これが23000円の教科書か!」
「30日が1日に短縮なのに60日は2日にならんのか?」

等々。授業態度で短縮が決まるんじゃないのか?
と人ごとながら心配になる。

実車は当然爺様とのペアだった。どしゃ降りの中を
免許センターのコースを周回する。

・・・なんというか。爺様スピード出し過ぎ違う?
って思うほどちょっと無茶な運転ように僕には思えたが
しかし教官の言葉は意外で、爺様はほめられて
無茶苦茶に怒られたは僕の方だった。

「ろあんさん!きちんと確認していましたか?
左後ろ見るのはなぜですか?」

左後ろ?教官の質問の意味が分からなくて頭が???になる。

「爺様はわかりますか?」「はい!巻き込みの確認です。」
シャキシャキ即答する爺様。爺様に5ポイントリードを許してしまう。

「爺様はなんでこの講習に?」

と講義の間の休憩時間に聞いてみる。

「ワシか?信号無視を警察に見られたんじゃ。」

やはり警察の目は節穴ではないらしい。その後少し話を聞いたら
この爺様はこの講習の常連様ということでなんと6度目だという。
世の中にはすごい爺様がいるもんだ。

「前回は免許センターに車に乗ってきて帰り捕まった。」
「帰り運転して有料で帰るけど、こんな台風の中警察も見とらんて。」

などと大声で話す爺様。教官に聞かれたらどうするんだ?
ちっとも反省なんぞしない爺様。
試験のことも全く気にしてないらしい。

「心配せんでも、試験に落ちる奴はおらんのじゃ。」

自信満々の爺様。僕はといえば、実車で怒られシミュレーターで失敗し
適正テストもさっぱりでもうヘトヘトだった。