休みを利用して友人の所へ遊びに行ってきた。仮にSとしておく。
彼のアパートは金沢にある。建物はかなり老朽化しているけども、中は
結構広くて普通の8畳の部屋が2つに台所風呂トイレになっている。
未だに昭和の香のするなんだかとても落ち着く部屋なのだ。
だから入るときは他の友達もろあんも”ただいま”である。

Sはろあんと同じように独身であり、時々女の子に結婚を迫られてはその
子と別れるといったような案配らしい。
性格はろあんの上をいくかなりアバウトな性格をしている。

ろあんは寒いから布団持参で泊まりに行く。
着いたらまず始めに部屋の掃除を行い布団を敷いて寝るスペースを確
保するのが第一の仕事になる。第2の仕事は台所仕事だ。それから晩
ご飯の支度だ。ろあんはただで泊まらせて貰うのだからこのくらいの
仕事は引き受ける。

部屋の掃除は割と簡単だ。ビールやら空き缶等を集めて中身を捨てて
袋に入れる。それからコンビニゴミなどを集めて新聞や請求書なども
お構いなしにゴミ袋へ放り込む。
食卓にある使った食器を台所へ移動させる。
そして掃除機をかければ完了だ。

土曜も夕方Sのアパートへ着いたが鍵がかかっていた。
遊びに行くっていってあったけどどうやらバイトらしい。
しかし駐車場には別の友人Kの車が駐まっていた。Sの車はない。
・・・おかしいな?どこへいったんだろう?とKへ電話してみるとスキ
ー帰りで嫁との待ち合わせ時間があったので車の中で寝ているという。
Sはどこへいったかはkも知らないらしい。
なにせ寒いので2人で中へ入りたいが鍵がない。いつも預かる合い鍵は
部屋の中だ。そこで裏へ回ってみて鍵を調べてみると開いていた。
いいのかそれ?多分行くって言ってあったから開けておいてくれたのだ
ろう。さっそく不法侵入する。

さて、案の定というか予想通りというか何時の飲み会の物なのかビール
の空き缶が部屋一杯に転がり、いつ使った食器なのかすら不明な食器が
コタツの上にそのままの状態で置いてある。台所には洗ってない食器が
山盛りである。なにやら異臭すら漂ってくるようである。

この状態でとりあえず絶対に触れてはいけないものが2つある。
一つは台所のガスレンジの上にある土鍋。蓋がしてあるから中はどうな
っているかは不明だが、正月にここへ立ち寄ったときもそのまま置いて
あったから、そのうち中から生命誕生の勢いで進化しているものと思わ
れる。正月の時はちらりっと好奇心で開けてみて、見なかった事にして
そのまま輪島へ逃げて帰ったのだ。もう一つはご飯ジャー。
これもどれだけ前に炊いたのが不明で中は恐ろしい事になっている事に
ほぼ間違いない。

この2つに関してはいくらんでも嫌なので帰ってきたらSに掃除させる。
しかし後でこれがとんでもない事態を引き起こすのだ。

大体ここへ来る連中は、台所で適当な料理はするけれどその後の掃除と
いう物をしないという奴が殆どである。そのまま帰ると汚れた食器だけ
が部屋に残るのだ。女の子も結構遊びに来るのに、その子達が流しをし
たという話しは聞いたことがない。
ろあんが掃除して帰る→2ヶ月ほどして泊りにいく。その間の食器が貯
まる。というようなサイクルに最近なっているような気がする。

Sよ。そろそろきちんとした嫁さん貰ってください。お願いですから。