さて、どうするかな..等と思案しながらkと雑談していたら掃除が
一ミリも進まないまま部屋主のSが帰宅した。
やはりバイトだったらしい。いきなり布団に潜り込むS。

「まてまてまて、寝るな起きろ。とりあえず土鍋、土鍋!あれだけは
頼むからなんとかしろ!、それから寝れ。」
「昨日から二日酔いなんだよ。ちょっとだけ..頼む。」

起きてもらって掃除しないとこの部屋には寝るスペースもないのだ。
心を鬼にしてSをむりやりたたき起こして、とりあえず部屋の掃除を
行う。続いて台所。まずは例の土鍋の始末だ。

Sに土鍋掃除を厳命する。しぶしぶ土鍋掃除をするS。
その後土鍋始末の途中ちらりっと見てしまった土鍋の中身は、ナウシ
カに登場する腐海の森のミニチュア版のようになっていた。
まともに覗き込もうものなら5分で肺が腐ってしまうに違いない。
しかし本当に土鍋が痺気を発しているようだ。

「これ..トイレへ流すわ。」

と中身をトイレへ流すS。Sのアパートのトイレはしゃがんでするタ
イプの水洗である。生ゴミとして出す事も可能だろうが、Sの事だ,
そのゴミ袋をそのまま放置して数ヶ月..ということも大いにありう
る。それだけは避けたい。トレイへ流すのはまあ正解だろう。
中身の後始末を終えて聞いてみる。

「土鍋の中身って元々なんやったん?」
「ああ、ホルモンをTが土鍋で炒めて焼き肉のタレかけたんやけど、
 くどくって食えなんだんや。」
「去年からそのままというわけか...。」

アバウトにもほどがあると思うですよ。Sさん。

とりあえず土鍋はクレンザーで洗う。なにやらこびりついてるものは
ドイツ製のスポンジのようなもので落とす。
まだ臭いが残っているような気がするのと、怪しげな細菌がこびりつ
いているような気がする。このまま使っては間違いなく救急車を
呼ばなくてはならないだろう。そこで土鍋に水を張り湯を沸かす。
熱湯消毒しようという作戦だ。
これは実は昔ある女の子に教えてもらった作戦で2~3回水を換えて
お湯を沸かすを繰り返すと臭いなどが消えてしまうようだ。

この伊藤家の食卓に投稿すれば採用間違いなしの技は、炊飯ジャーに
も通用する。炊飯ジャーの場合は炊飯のスイッチをおせばお湯が沸く
からそのまましばらく放置しておけばよろしい。
これも何回か繰り返せばやがて臭いなどは消えてしまい、もう一度使
えるようになる。

台所の掃除も一段落ついて残るはご飯ジャーだ。
案の定いつ炊いたのかすら不明なご飯が釜にこびりついている。
ただ土鍋と違ってバリバリになっていてカビだらけにはなってない様
子。保温のまま放置していたのでは..と予想する。

「これも..トイレへ流すわ。」と中身をトイレへ流すS

ろあんはこちら側の部屋の掃除を終え布団を運び込んでいた。
そのときSの悲痛な叫び声が。

「あああ、水があふれる........!!!!!」

どうやら流したご飯が悪かったのか、カビが悪かったのかパイプが詰
まってしまったらしい...。


次回予告”パイプのつまりなんとかしよう作戦”に挑むの巻