慌てふためくSともう一度水を流してみる。
水は便器の縁ギリギリまで溢れてそれから少しづつ流れていくようだ。
つまりパイプのどこか途中で流したブツが詰まっていて、水は隙間を
少しずつ流れていくような状態になっているらしい。

「くら~し安心、クラーシアン」のCMソングが頭の中を流れる。

パイプのつまーり8000円だっけか・・などど笑っている場合ではない。
このままだとう○こ禁止になってしまう。
それはまずい。非常にまずい。

そこで夕飯の買い出しのついでに100円ショップでパイプの詰まりを
取る薬と、便器をズッポンズッポンするあれ(正式名称はなんていう
のでしょうか?)を買ってくる事にする。

今夜の夕食メニューは ”たこ焼き”である。
ろあんはこのために家からたこ焼き器を持ってきたのだ。

かつてたこ焼きをやろうと、家からアパートへ機械を持ってきたのは
いいが、粉も用意し、タコも切って紅ショウガもスタンバイしあとは
たこ焼き器のスイッチを入れるだけの状態で、たこ焼き器のコンセン
トを輪島の自宅に忘れたことに気づいた事があった。
あの時は集まった連中の冷たい視線がとても辛かった。

「大丈夫なんだろうな?ちゃんとコンセント持ってきたか?」とS

もちろん今回はバッチリだ。早速買い出しへ。
100円ショップのはずなのに、たこ焼きの粉やパイプの詰まりの薬やら
ズッポンズッポンのアレやら、かなり豊富な品揃えで大方の物が揃っ
てしまった。ちゃんと穴に油引く奴とかたこ焼きを引っ繰り返す棒の
ようななものまで売っていた。すごいぞ100円ショップ。

更にスーパーでタコを購入。
ついでに中に入れるとウマーな材料物色。

ウインナーにチーズ、焼きそば等々をチョイス。
後で気づくのだが、肝心の紅ショウガとお多福ソースを買い忘れる。
後は天かすに桜エビを購入。キャベツは却下されてしまう。

早速アパートへ帰ってズッポンズッポンをやってみるけど全く効果な
し。詰まりをとる薬もなんだか使い方が悪かったのか、流れてしまっ
てまったく意味無かったみたいだ。

「小便は立ちションで済ませること。」とルールを決める。
「まあ時間経てば流れるようになるって、最悪クラーシアンだな。」

慰めにもならない適当な事を言いながら、たこ焼き開始。