某月某日


携帯番号を教えて貰ったので

「こちらの携帯の番号は帰りにでもワン切りしておきますね」

ということで教えて貰った番号へ一度電話して甘木さんの
携帯にろあんからの着信履歴を残す事にする。


そして翌日になって出勤してきた甘木さんが妙なことを言い出した。


「自分のロッカーの扉に小さい磁石がくっついていてそこへ
青色系の小さい紙が挟んであって携帯番号が書かれていた…。」


しかし残念ながら、ろあんの仕事ではない。


「私は、てっきりろあんさんだとばかり思い込んでて携帯の
番号間違えないようにということで、マメなことするなぁ…。」
と思ってたと甘来さん。


「だって、昨日電話番号教えて貰ってワン切りするって話したのに
わざわざそんな面倒なことする必要ないでしょ?」
「10時頃の電話がそうだよね、着歴があったから登録したよ。」

「じゃあだれか間違えたのかなぁ…」


と、非常にのんきな甘木さんであるが


「その番号へ電話してみたら?」「それはイヤ」だそうで


誰かが間違えたのでなくて、誰かが甘木さんに電話をかけて欲し
くてわざわざそのような面倒な事をしたのではないか…とも思える
し確かに間違えて貼った可能性も否定出来ない。


ろあんが帰るときには甘来さんのロッカーには磁石や青い紙等は
確かになかった。夜勤の仕事をしていた人の中にもこんな変な事
をやりそうな人はいないように思える。


”それ…ストー○ーじゃないの?”とか聞こうかとも思ったが、
不安がらせてはいけないし、筆跡をみればだいたい想像が付く
なぁ…と思って


「その紙って捨てた?筆跡を見ればだいたい分かるかも」


と提案してみたが、ろあんさんの書いた物だと思い込んでポケット
に入れたままになっている…とのことで見せて貰えなかった。


ろあんかどうかは、ワン切りした番号とその番号を見比べれば簡単
に分かるはずなのに…。